坐禅のすすめ
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坐禅のすすめ
門前
■坐禅の前に
装身具,時計などをはずし、靴下などは脱いでおきましょう。
坐蒲は自分の体に合った物を使いましょう。
堂内では静かにしなければいけません。私語を慎みましょう。
堂内を歩く時は、必ず叉手にします。また、聖僧さまの前を横切ってはいけません。
坐ったとき、隣の人にあわせて一列になるようにします。
 
■注意
こちらに記載されているものは作法の一例です。
細かい作法については、それぞれの道場によって異なる場合がございますので、その道場の作法に従ってください。


はじめに

坐禅は仏教に入る正門であります。釈尊(しゃくそん)が、ご出家後の6年の苦行を止め、≪ありとあらゆるものの、あるすべき姿を正しく見極める≫という立場の坐禅によって、≪世の中のすべての存在は仏の姿、さとりとしてあらわれている≫という悟りをお開きになったからです。

世界中の一人でも多くの人々が、釈尊のみ教えによって信仰に根ざした日常生活がおくれるよう、坐禅をおすすめ致します。

 
坐禅とは

坐禅 とは、文字の通り坐る禅ということです。
禅とは梵語
(ぼんご)で「ゼンナ」という言葉に、音を表す「禅」という言葉を当てたものです。

意味の上からは、定
(じょう)とか静慮(じょうりょ)とか、思惟修(しゆいしゅ)とか訳されます。これは、ものごとの真実の姿、あり方を見極めて、これに正しく対応していく心のはたらきを調えることをいうのです。そのためには、心を一ヵ処に集中しなければなりません。物事の表面の姿、形に執らわれて、好き嫌い、良し悪しの心の動きがあってはできません。

このように、環境の事象にとらわれる事なく、真実の在り方を見極め、対処して行くことを解脱とも言います。
この解脱
(げだつ)の道を体得し、体解(たいげ)
するのが禅の真義なのです。


一.合掌(がっしょう)

相手に尊敬の念をあらわすことです。

両手のひらを合わせてしっかりと指を揃えます。
指の先を鼻の高さに揃え鼻から約10cm離します。
肘を軽く張り肩の力は抜くようにします。

二.叉手(しゃしゅ)

立っている時、歩く時の手の作法です。

左指の親指を中にして拳を作り、これを胸に軽く当てて右手のひらでこれを覆います。

三.法界定印(ほっかいじょういん)

正座の時、坐禅の時の手の形です。

右手のひらを上向きにして、組んだ足の上に置き、その上に左手のひらを同じように上向きにして置き、両方の親指の先をかすかに接触させます。
力を入れて押してはいけませんが、決して離さないようにします。

四.隣位問訊(りんいもんじん)

坐る両隣の人への挨拶です。

自分の坐る位置に着いたら、その場所に向かって合掌低頭します。
両隣に当たる二人はこれを受けて合掌します。

五.対坐問訊(たいざもんじん)

坐る向かいの人への挨拶です。

隣位問訊をしたら、合掌のまま右回りをして向かいに坐っている人に合掌低頭します。
向かい側の人はこれを受けて合掌します。

六.面壁(めんぺき)

壁の方に向くことです。

対坐問訊をしたら、そのまま坐蒲の上に腰を下ろします。その時、背骨の下に坐蒲の中心がくるようにします。
一方の手で坐蒲を持ち、もう一方の手で畳を押すようにして回り、壁の方へ向かいます。

七.結跏趺坐(けっかふざ)


両足を組む坐り方です。

まず、右の足を左の股の上に深くのせ、次に左の足を右の股の上にのせます。足を組んだら手は法界定印を結びます。

八.半跏趺坐(はんかふざ)

片足を組む坐り方です。

右の足を左の股の下に深く入れ、左の足を右の股の上に深くのせます。
結跏趺坐でも半跏趺坐でも肝心なのは、両膝を確実に地につけ、両膝とお尻の三点で上体を支えることです。

九.左右揺振(さゆうようしん)

身体を落ち着かせるために行います。

上半身を振り子のように大から小へ左右に揺り動かして、坐相をまっすぐに正しく落ち着かせます。

十.上体の作法

背骨をまっすぐに伸ばし、下腹を突き出すようにして腰にきまりをつけます。

両肩の力を抜き、首筋には力を入れず顎を引き、頭で天をつきあげるようにすると背骨がまっすぐになります。

十一.目の作法

目は閉じてはいけません。自然のままに開いておきましょう。
視線は、およそ1メートル前方、約45度の角度に落としたままにして、よそ見をしてはいけません。

十二.欠気一息(かんきいっそく)

形を正したところでする息です。

深々と息を鼻から吸い込み、これを徐々に口から吐き出します。
この深呼吸を数回行った後は、自然と鼻からの呼吸にまかせましょう。

十三.口の作法

舌の先を上の歯の内側の付け根につけ、歯をしっかりと揃え、唇を密着させます。

口を真一文字に結んで、開けたり動かしたりしてはいけません。

十四.思いをはなつ

様々な思いにとらわれないことです。
目に映るものにも耳に聞こえる音にも、鼻に匂う香りにも心に浮かぶ思念にも、なるがままにそれらの一切に引き込まれないように、気にかけないことです。

十五.止静鐘(しじょうしょう)

坐禅の始まる合図です。
参禅者の身相が整う頃、堂頭(どうちょう)が入堂して堂内を一巡し、正しい坐にあるかを点検します。
これを検単(けんたん)といいます。
堂頭が自分の後ろに巡ってきた時は合掌をし、通り過ぎた後に法界定印にもどします。
この後、止静鐘(鐘三回)が鳴ります。
止静鐘が鳴ったら堂内に出入りをしてはいけません。

十六.警策(きょうさく)

心のゆるみを警める為に使います。

眠気がしたり心が乱れた時などに自分から合掌して受ける方法と、姿勢が悪かったり寝ていたりする人に直堂(じきどう:堂内を監督する者)の方から入れる方法があります。
どちらの場合も右肩を軽く打って予告しますので、そうしたら合掌のまま首を左に傾け、右肩をあけるようにします。

受け終わったら合掌低頭して元の法界定印に戻します。

十七.経行(きんひん)

坐禅が長時間行われる場合に、堂内をゆるやかに静かに歩行することです。

坐禅中に経行鐘(きんひんしょう:鐘2回)が鳴ったら、合掌低頭し、左右揺振して足を解き、右回りで向きを変え、静かに立ち上がります。

坐蒲を直し隣位問訊、対座問訊をします。
その後、叉手にして呼吸を整え、一呼吸に半歩ずつ右足より歩を進めます。

息を吸って吐く間に、足の甲の長さの半分だけ歩を進めるのです。列の前後を等間隔に保ち、堂内を右回りに緩歩します。
呼吸の仕方や上体の姿勢、目や口元などは坐禅の場合と同様です。

時間になり抽解鐘(ちゅうかいしょう:鐘1回)を聞いたら、直ちにその場に両脚を揃えて止まります。叉手のまま低頭し、普通の歩速で進行方向に進み、自分の坐っていた場所に戻ります。

隣位問訊、対座問訊した後、坐禅を続けます。
 

十八.終わり

放禅鐘(ほうぜんしょう:鐘1回)が鳴ると坐禅の終わりです。

合掌低頭した後、今度は両手のひらを上にして膝に置き、最初とは逆にはじめは小さく、だんだん大きく左右揺振をします。
体をほぐした後、足を解き、右回りで向きを変えます。
立ち膝になり坐蒲を元の形に直します。
直し終わったら立ち上がり、隣位問訊、対座問訊をして叉手で退堂します。

※イス坐禅

足を組んでの坐禅に差し支えがある方は、
無理をせず「椅子」をお使い下さい。


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